ウレタン樹脂の硬化剤に使用されている、「3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン」(以下MOCA)について、平成28年9月21日 厚生労働省が、一般社団法人日本化学工業協会など4団体に対して
化学物質MOCA(モカ)による健康障害の防止対策について関係業界に要請をおこないました。
平成28年9月21日 厚生労働省は、一般社団法人日本化学工業協会など4団体に対して、
「3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン」(MOCA)について、
などを要請しました。
◆詳細は、厚生労働省の報道・広報ページをごらんください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000137389.html
概略としては、オルト−トルイジンとMOCAを扱っていた化学工場の従業員と退職者の合計7人が膀胱ガンを発症したことから、厚労省が立ち入り調査を行ったところ、福井県の化学工場で、オルトートトルイジンを皮膚から吸収したことが原因と特定されたためです。
MOCAが直接の原因とはまだ特定は出来ていないものの、非常に高い確率で発がん性が疑われていることから、労働者への健康被害を防ぐ対策を徹底するように、要請したものです。
法的にも、特定化学物質障害予防規則のMOCAに関する内容が改定されています。
厚生労働省 化学物質対策について 平成29年4月の特定化学物質障害予防規則の改正
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei54/
防水材ではウレタン防水がかなりのシェアを有していることから、業界への影響も懸念される中、ウレタン防水材の硬化剤としては、福井県の化学工場のような製造ラインではなく、硬化剤に練り込んであるので空気中に飛散することがなく、主材と硬化剤が反応して硬化していく段階でMOCAが消費されてウレタン防水材の中には残存しないために、毒性も環境汚染の心配もない。
しかし残念ながら、硬化剤そのものにはMOCAが含有するのは事実です。その取扱には十分な安全対策が必要である事には変わり有りません。 特定化学物質を含まないビッグサンのページでもご紹介しているように、特化則に遵守してウレタン防水を施工するためには、厳重な施工管理が必要です。
などが、必要になります。
新築現場では、施工管理に膨大な費用は掛かったとしても、まだ実施は可能かもしれません。 改築現場には、居住者がいるという事が前提となります。
これまで弊社WEBでことある毎に、改築工法でのビッグサンの大きな利点として、水性エマルション系である為に有機溶剤系の強い臭気が無く環境に優しい無害ともいえる材料であることをご紹介してきました。
臭いさえ我慢すれば良いのでは?というご意見も有るかもしれません。
しかし、その物質に国が懸念する化学物質(MOCA)が含まれていたら、方向性は変わってくるのではないでしょうか。
硬化剤に練り混まれているから空気中には飛散しないというのは、確かかもしれません。また硬化の過程で化学反応を起こして消滅してしまう事も事実でしょう。
しかしこれは完全な施工管理の元、決められた処置を100%施してのことで、実際に現場でおきそうな問題がすぐに思い浮かびます。例えば、主材と混ぜ合わせる際に硬化剤が混練する容器の外にこぼれたとしたらどうでしょう。硬化剤だけでは硬化しませんから、その場所に滞留する事になります。
それを犬や猫などの動物が口にする可能性もゼロでは有りません。子供が地面に寝転がると言うことも懸念されます。
また、使用後の残材にも懸念は有るかと思います。それらの処理にも最大限の注意を払わなくてはなりません。一般の産業廃棄物とは区別して専門の廃棄物として処理しなければなりません。
改築現場では、基本的には居住者の直ぐ横で作業することが大半です。ベランダの防水改修では、ベランダと居室のガラス戸一枚で居住者にいきつきます。居住者が興味本位で窓を開けてのぞき込むこともあるでしょう。廊下などでは片側通行などで居住者が往き来する中、施工しなければならないこともあるでしょう。
このように実際に即した作業環境では、100%安全に行うのは非常に困難かと思われます。
こういった事実をうけて、ウレタン防水材のあるメーカーでは、MOCAを有し特化則の対象となるウレタン防水材の製造を打ち切り、特化物無配合のウレタン防水材をだされているところもあるようです。 しかし、まだこの製品はできたばかりです。5年10年経過するシミュレーション検査も行っているかと思いますが、実際の環境で10年晒されていません。実績が無いのです。人にやさしい、環境にやさしい事を、配慮するばかりに、他の性能の良さを消しているのではという懸念も残ります。
いろんな諸問題を抱えながら、塗膜防水材としてどうしてもウレタン防水を使わなければならないという意味は、どこにあるのでしょうか。それは、発注者や設計事務所、ゼネコンや元請けが、深くその実情を知らないからだと思っています。
我々、ポリマーセメント系塗膜防水材メーカーからの宣伝が少ないというのも、理由かも知れません。
ビッグサンは、有機溶剤を使わないので、特有の強い嫌な臭気がありません。とうぜんその健康被害もありません。
また、JASS8メンブレン防水の性能評価試験の結果でもわかるように、性能面でもウレタン防水に引けを取るものでもありません。
ビッグサンを販売してから35年、浄水場の大型水槽から屋上・ベランダまで、使用して頂いた多くの実績からもご納得いただけるかと思います。
様々な施工箇所に対応出来るよう、様々な工法をご用意しております。
ビッグサンの工法についてはこちらをご覧下さい。
https://www.dainichikasei.co.jp/product/