築年数30年程度の分譲マンションで数戸へ雨漏りがおこり、原因が突き止められずに入居者が耐えきれず退去する事まで考えた漏水案件。それを見事に解決し漏水を止めることに成功したスカイコートW
毎日何気に通りがかり見慣れているビルやマンションですが、実は建築後数十年経過しているという事が結構あります。大阪で言えば梅田にある梅田阪急グランドビル。
外装は綺麗に見えるのですが、建てられたのは昭和40年代後半頃。もうすでに50年近く経過しています。
これは外装に磁器タイルを使用しておりタイルの性質上汚れは多少あるものの、タイルそのものの劣化が非常に少なく綺麗に見えるためで、同じ様に外装に磁器タイルを使用しているマンションでも同じ事が言えます。
この案件のマンションも見た目は結構綺麗に見えるのですが意外や建造後20年を経過しており、これまでに色々な改修工事が行われてきました。そういった中、ある部屋の住民から雨漏りの苦情が管理組合に入ってきました。
梅雨時でも無い雨の日だったそうですが一晩しとしとと降り続いた翌朝、リビングに水溜まりをみつけ家族の誰かが水をこぼしたんだ?と床をふいている時にふと見上げたら壁紙がめくれ上がっていたそうです。
え?なんで?と上を見ると天井にシミのようなものが。入居者はそこで漏水に気付いたそうです。
すぐに管理組合に連絡し、ほどなく業者さんがやってきて部屋の状況をみたところ、外壁から浸水したものがどこかを伝って壁にきたものと思われますということだったようです。
最初の漏水後、晴れていたので業者さんと管理組合の方で漏水箇所の特定をする為の段取りが話し合われている最中、また雨が降ったのですが今度は別の部屋からも同様に漏水の苦情が出てしまいました。
このマンションは7階建てで、最初の苦情が出たのは5階部分。しかし今回は4階部分でかつ少し離れたお部屋でした。
その後あれよあれよという間に他の部屋でも漏水が発生してしまいました。
一般的な商業ビルであれば概ね面で形成されていますが、マンションの場合ではベランダがあります。つまり凹凸が激しくどこが漏れの原因となっているのか非常に判りづらい構造です。
先の概略図のように一番端では比較的真っ直ぐな形状をしていますが、出窓もある事から漏水の原因が非常に判りにくい状況だったようです。外壁面に亀裂があり、そこから水が入ってすぐ裏に漏水するという様な状況であれば、判りやすいのですが原因が離れたところにあって、水が伝って来ているということも充分考えられます。
取り急ぎ建築業者さんは雨水が何所から内部に浸入しているのか特定出来なかったために、外壁タイルの目地を重点的にチェックして、コーキングが劣化している箇所などに補修を施しました。その後一ヶ月くらいは問題なかったようなのですが、ほどなく漏水が再開してしまい、やはり最初の漏水と同じ部屋に漏れてしまっていました。
最初に漏水が起こってから管理組合に報告し業者さんも即来てくれ対応は良かったため、住民は比較的冷静に直してくれたらそれでいい。という感じでしたが再度に渡り漏水をくり返すので、住民の苛立ちがエスカレートしてきました。中にはもう我慢の限界だ!と退去するしか無いと気負う方もいらしたそうです。
しかし分譲ですので適切な価格で売れなければ困ることになりますが、現状不具合のある訳あり物件となるので思う様な価格では売る事が出来ません。
漏水が始まってから10ヶ月近くが経過していました。
管理組合で様々検討した結果、残す手は「大規模改修」しかないと言う結論になりました。
ここでどのレベルでの大規模改修を行うのか。ということです。
最大に考えられる策として、タイルを剥がして新しいものにする改修ですが、とてつもない費用と時間が掛かります。治るのなら時間は掛かっても致し方ないが、費用はどうにもなりません。これまでに細々した改修工事を行ってきており、次回は屋上防水を全面改修する予定だったそうです。
しかしその費用はタイル全面を改修する膨大な費用には足りません。
そこで、次に検討されたのが、タイル深目地のコーキングのやり替え。全面をチェックしてひび割れ箇所のタイル補修でした。これであれば比較的現実的な費用で収まりそうだったのですが、本当にこれで治るのか?という不安が払拭出来ませんでした。
建築業者さんはいわゆるゼネコンのようなもので自社にて行うのではなく、外注業者に依頼する形なのですが、セカンドオピニオンではないですが、他の防水業者にも声を掛けて提案を行ってもらう事になったそうです。
別業者さんが提案を行ったのは、箇所箇所を補修するのではなく、面全体に塗布することで止める事が出来る、外壁タイル用透明防水材でした。つまりスカイコートWだったのです。
メリットとして。あからさまにタイルが浮いていると言うわけではなく、浮いてはいないがひび割れている程度であれば、その上から防水層を塗布することで浸水を防ぐことが出来ます。そういった小さい原因を一度にローラー作戦的に防水することが可能です。
そして現場はマンションですので、居住者が生活をする中での工事となります。溶剤系の防水材であれば臭気の問題が発生します。作業者は専用のマスクをして作業を行いますが、住民に臭気の問題や健康被害を防ぐ手立ては皆無です。
工事期間中居住者全員にマスクを着けてもらう訳にもいかず、我慢してくださいとも言えません。
しかしスカイコートWであれば、完全水性なので溶剤系特有の刺激臭はありません。作業者も専用のマスク無しで効率よく作業が行えます。
最初の案では目地や傷んだタイルの全面やり替えとなりますが、スカイコートWであれば極端な表現ですが、塗るだけで済みます。
もちろん目地シールが劣化していれば打替えが必要ですし、タイルの浮き等があれば樹脂注入等の下地処理や養生は必要です。
なによりスカイコートWは透明の塗膜なので、現状のタイルの風合いを損なうことなく施工が可能なのです。もしタイルを部分的に貼り替えた場合、そこだけが新しくなるため見た目に違和感が生じてしまいます。
スカイコートWは基本的にはタイルを張り替えずに済む工法ですので、施工後はムラも無く部分的に違和感が出ることもありません。
こういった手順の少なさからもトータルで掛かる費用を押さえることが可能で、当初の案よりもかなり安価に工事が出来ると言うことが判り、管理組合全員が賛成してスカイコートWが採用されました。
エアコンの室外機やエアコンの配管、換気口などを養生するだけで施工が可能ですので、計画通りにスムーズに作業は進みました。
なにより居住者が生活する中での工事となる為に臭気の問題が重要視されますが、完全水性のために溶剤特有の臭気は一切ありません。
そのため工事期間中、居住者からなんら臭気に関するクレームはありませんでした。
建物の左右の面は出窓がありますが、これは足場を組んで作業しているので特に手間取ることもなくスムーズに作業が進められました。
実際の施工は、下地タイルのチェックを行い、洗浄後にプライマー・防水材下塗り・防水材上塗り・トップコートという手順になる為に、数日でとは行きませんが数週間で作業は終了し、見た目も綺麗になりました。
スカイコートWはトップコートに、現在はツヤ有り・半ツヤ・ツヤ消しの3種類があります。ただし、この工事の際ツヤ消しはまだ販売しておりませんでしたので、半ツヤが採用されています。
タイルを洗うだけでも綺麗になるのですが、そこに半艶が施されるために新品のようになり、居住者も喜んで頂けたそうです。
工事終了後すぐに雨は降らなかったそうですが、数週間後に雨が降ったときはみなドキドキしたそうです。しかし何度も漏水していた部屋でも漏水の発生はありませんでした。
その後も暫く雨が降る度にチェックしたものの、既存の漏水は止まっており、新たな漏水も発生しませんでした。
漏水が止まらないときには退去も覚悟した方もいらっしゃったなか、最初の提案よりも安価に安全に施工が出来、漏水も止まり、既存タイルの意匠性を維持どころか、半ツヤで見た目も綺麗になり大喜びして頂けております。
これは窮地に追い込まれていた居住者にとって救世主ともいえるかと思います。
もちろん何かあったら連絡が来るので、何もないと言う事はちゃんと防水機能を全うしているわけです。ツヤもまだまだ綺麗に残っておりました。
今回スカイコートWを提案してくれた業者さんが救世主のように思われていると思いますが、そういった良い仕事をされた施工業者さんの役に立ち、なにより住民の方の利便性を向上し美観の面からも資産価値を向上させることが出来た、材料メーカーとして、まさに嬉しい採用でした。
溶剤系独特の臭気が無い、ツヤも選べて既存下地の外壁タイルの意匠性を担保出来る。施工が比較的簡単に行え、防水機能を全う出来る「スカイコートW」
今回の事例では漏れてしまってからでしたが、流石に新築時に施工は厳しいかもしれません。しかし転ばぬ先の杖として10年目の大規模改修に検討して頂けると、今後劣化していく外壁にも安心して過ごすことが出来ます。
漏れてからではなく、漏れる前の予防としてスカイコートWを施工することを検討して頂ければと思います。
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