外壁防水材として「浸透性撥水剤」が使用されている現場が散見されますが、透明外壁タイル防水材スカイコートWとどう違うのかを検証してみました。
外壁タイルには磁器タイルがよく使用されており、磁器タイルの特長である堅牢さと高級感を醸し出せる意匠性と実用性の観点から1970年代以降、多用されてきています。
磁器タイルは高温で焼き固められた堅牢な材料ですが、固いという反面脆いという弱点もあり、磁器タイルそのものや目地に使用されているモルタルにひび割れが発生する事により、壁面から漏水してしまうことがあります。
壁の内側へ浸水が起こった場合、最初に施されることが多いのが目地の補修です。浸水していると思われる外壁タイル一面の目地にモルタルを再充填する方法です。これにより浸水が止まればそれでいいのですが、しばらく時間が経つと再び漏水してしまうケースが多々あります。
このような場合には範囲を拡げて太目地のコーキングを剥がして新たに打ち直す事も行われますが、これも同じくしばらく経つと浸水が始まってしまう事が多いようです。
タイルを剥がして新たに張り替えることが最善の策かもしれませんが、途方もない費用と時間が掛かります。そこで壁面に防水材を塗布し面で防水するという方法が検討されます。しかし外壁タイルの意匠性を活かそうとすれば透明のものしか選択肢はありません。
そこで防水機能を付加する工法として「浸透性撥水剤」が使用されていることがよくあります。
浸透性撥水剤とは、タイル面に吹き付ける、または塗布することで材料が目地などに浸透し防水効果を発揮するというものです。
そもそも浸透性撥水剤はコンクリート打ちっぱなしや駐車場のコンクリートなどに浸透させることで防水機能を付与し、苔カビなどを防ぐ為に開発された商品です。
浸透性撥水剤は吹き付けるだけで施工完了というものが多く、その為材料も少なく工期も短いので改修費用をかなり安価に抑える事が可能です。
水は、ほんの僅かな隙間でも浸水してしまうので、目で見てもなかなか判らないようなひび割れからも浸水することから、そういった微細な隙間に噴霧することで材料を含浸させて防水効果を得ることが出来るというものです。
概ね、この施工で水漏れは止まるかと思いますが、ここでよく考えてみるとそもそも浸水した原因はひび割れです。折角外壁タイルの改修工事を行い浸水が止まったとはいえ、今後再び目地やタイルにひび割れが起こらないという保証は全く有りません。もしかしたら施工後1年経たずに再びどこかでひび割れが生じる可能性も有るのです。
つまりは、ひび割れに弱いと言う事が浸透性撥水剤の最大のデメリットです。
いくら工期が短く安価で済んだとはいえ、1年後に水が漏れました。では意味を成しません。
透明外壁防水材であるスカイコートWは特殊水系ウレタン樹脂を主成分とする完全水性の外壁タイル防水に特化した防水材です。最大の特長は透明で外壁に使用されているタイルの意匠性を損なわないということです。
そして伸びるということ。タイルが割れるということは何らかの揺れが大きな原因です。有る程度の揺れには耐えますが、それ以上の負荷が掛かると割れてしまいます。そういった場合浸透性撥水剤ではそこから水が漏れてしまいます。しかし伸びる塗膜のスカイコートWでは揺れが生じて割れたとしても塗膜が伸びて追従するので表面の防水機能を維持できるのです。
伸びるだけではありません、もとに戻るのです。伸びっ放しで縮まなければシワになり、そこが破断すれば水が浸入してしまいます。そのためスカイコートWは伸びますが縮んでもくれる優れた伸縮性をもっています。
どれだけ伸びて縮むのか下記の動画をごらん下さい
このように、とんでもなく伸びたあと、元の状態にもどります。伸びるだけではなく強度も充分にある事が動画からお判り頂けたかと思います。
先の動画ではスカイコートWの塗膜を利用して伸縮を検証しましたが、あくまでも塗膜そのものでの検証です。
そこで、実際にタイルに施工しタイルにひび割れを強制的に起こした上で水が漏れるか漏れないかを検証しました。また、浸透性撥水剤を2種類準備し、同じ様にタイルに施工したものでも検証しました。
1.タイル素地そのもの
2.浸透性撥水剤 Aを塗布したタイル
3.浸透性撥水剤 Bを塗布したタイル
4.スカイコートWを塗布したタイル
これら4種類を準備しタイルに300mmの高さから鋼球を落下させてひび割れを起こして水を注ぎました。
(JIS K 6745に基づく方法)
タイルが割れています。当然ながらここに水を掛けると浸水してしまいます
同じくタイルが割れました
アクリル製の筒にシリコンを塗布しひび割れ面に壁を設けて水を注ぎました
タイルを除けると水がしみ込んでいることが確認出来ます
こちらも同じ様にタイルは割れています
同様に水を注ぎました
タイルを除けるとAの材料と同じく水がしみ込んでいます
判りづらいですが先の浸透性撥水剤 AとBの時とは違い目地を境にして割れています
同じく水を注ぎました
水は下側には漏れていません
スカイコートWの裏面を見ると割れていることが判りますが、この様に完全にタイルは破断しているにも関わらず塗膜で引っ付いています。
これらの結果から塗膜であるスカイコートWを塗布するとタイルがあからさまに割れても水は漏れないことがお判り頂けたかと思います。
この実証ではタイルは完全に割れてしまっています。実際にはここまで割れることはまずないとは思いますが、浸透性撥水剤では完全にバラバラになっている状態であっても、スカイコートWは塗膜で引っ付いていますし、水も漏れません。
スカイコートWの驚異の伸び率と強靱さがなし得る結果と思います。
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浸透性撥水剤の方は目地のモルタルに浸透するため目地のトーンが濃くなります。水で濡れて色が濃く見えるのと同じ様なものです。
一番左の何もしていない状態のタイルと一番左側のスカイコートWを塗布した状態を見比べて頂くと意匠性を損なっていないことが解って頂けるかと思います。ちなみにスカイコートWのトップコートは半艶を使用しています。
艶ありのタイルに施工しても違和感の無い様に艶ありもございます。
割れてもなお防水性を維持するスカイコートWを採用するのか、浸透性撥水剤で防水改修をおこなうのが良いのか、この検証をご覧になれば、一目でお解り頂けたかと思います。
外壁防水改修の材料にはスカイコートWを是非ともご採用頂ければ幸いです。
スカイコートWについてはこちらをごらん下さい
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https://www.dainichikasei.co.jp/product/skycoat/