従来は3材型で混練撹拌の作業が煩雑になりがちでしたが、ニュータイプは2材型となったため、手軽になり混練後直ぐに使用可能に。さらに伸び率も上昇し、これまで困難だった幅の広い目地でも比較的容易に充填作業がおこなえるようになり一段と性能と使いやすさが向上しました。
橋梁は単純にいえば道と道を橋渡しするものですが単純にはしごを乗せるような形状では地面の揺れに対応出来ません。そこで伸縮装置(エキスパンジョイントやフィンガージョイント)の設置が必要となります。
これらのジョイントは伸縮装置という名の通り、道路と橋梁とが縁が切れて設置されているもので、揺れに追従可能なように隙間が設けられています。そのままであれば屋外で雨水が下に洩れてしまうため、シールを行う必要があります。
一般の方からすると漏れても下が川ですので問題は無いだろうと思いがちですが、人道や車道がある場合もあります。なにより伸縮装置は複雑な形状をしておりそのなかに雨水が溜まってしまうと、サビが発生してしまいます。
多くはタールエポなどの防水塗料を施していますが、終始水が滞留していると劣化も早くなりますので、できる限り滞留しないようにすることが必要ですので、シール材による止水が必須になるわけです。
ポリブタジエンゴムという材料は特殊な材料で、優れた弾性(伸び)がありかつマイナス温度でもかなり伸びます。また伸びるだけではなく元に戻るという本当に優れた材料です。
弊社ではポリブタジエン系弾性シール材として「スカイシールF-1」を製品販売させていただいており、発売当初からその特性にご注目いただき、多数の橋梁伸縮装置で採用いただいております。
弊社スカイシールF-1がマイナス20度でどれくらい伸びるかを実証した動画です
そのうえ耐候性にも非常に優れる特長が有ります。表層は劣化することは否めませんが、中身は30年間風雨にさらされても施工当時の弾性を維持しています。
30年経過したスカイシールF-1の柔軟さを確認出来る動画
このように橋梁の伸縮装置にとって欠かせない材料になっており、NEXCO様(東日本・中日本・西日本)の橋梁用弾性シール材として採用いただいております。
しかしこれらは伸縮装置の製造工場内や現場設置後に「流し込む」という工程が必要なために、流動性が良好に設計しております。
スカイシールF-1の流動性を実証した動画
ところが流動性が良いということは、施工する際に勾配があると流れてしまうということになります。
そのため、高欄や地覆の隙間を埋めるということにはあまり向いていません。用途が違うためです。
現場の声として地覆や高欄の目地に施工出来るポリブタジエン系弾性シール材が非常に求められていました。
上図のように縦の目地に施工するには流動性の良いスカイシ−ルF-1ではかなりの手間になります。型枠のようなものを設置してそこに流し込んでいかなければなりません。
そこで、スランプしない(垂れない)ポリブタジエン系弾性シール材スカイシールF-2を開発いたしました。
文字通りスランプしないので、縦目地にはもってこいの材料です。またこの材料はポリブタジエン系としては唯一無二の製品になります。
スカイシールF-2はスランプしないという特性があるために、上市以来数々の現場で採用されております。
しかし、市場の要求はこれだけでは収まりませんでした。
スランプしないポリブタジエン系弾性シール材としては優れているのですが、スカイシールF-1と比較すると伸び率が少し少なかったのです。そのためNEXCO様の品質性能基準には達しないという現状でした。
NEXCO様は日本の主要高速道路を出来るだけ完全に維持しなければならないという使命から、基準値が一般の建築土木の基準よりかなり高めに設定されているのです。
これらの要求を満たすべく改良を施したニュータイプを研究開発し、上市いたしました。
特長としてまずは、伸び率の増加です。
NEXCO様の基準では600%となっておりますが、優にそれを超えるものに仕上がっております。つまりはNEXCO様の基準値を満たすものになっております。
次に、材料が「2材化」になったことです。
これまでは「主剤」「硬化剤」「添加剤」の3つの材料を撹拌しなければなりませんでした。また撹拌する順番を誤ると正しく機能しないこともあり、混練撹拌が煩雑になりがちでした。
また撹拌終了後にノンサグ性(垂れない状態)が発現するまでに20分程度かかり、環境によってはそれ以上掛かる事もあり現場で待ち時間が発生することになり、少しの量なら良いのですが多量に使用する際には、ノンサグ性が発現するまでの待ち時間を工夫して作業する必要がありました。
ニュータイプでは主剤がノンサグタイプになっており、硬化剤を添加し混練撹拌が終了すると直ぐに施工が可能になっております。
伸び率も良くなったことから、広い目地幅にも対応が可能になりました。これまでは35mm程度が限界だったのですが、ニュータイプでは100mmでも施工可能になりました。
なにより伸び率が向上しNEXCO様の品質規格値をクリアしたということが最大の特長ともいえます。
現場作業的には幅の広い目地にも一発で施工可能となり、高欄の改修工事や橋梁改修において、伸縮装置下部からの作業性も向上し、さらに利便性が良くなりました。
そのため橋梁伸縮装置や高欄・地覆の目地だけにとどまらず、用途が拡がっていくのではと考えております。特に土木の現場では欠かせない材料になるかもしれません。それくらい性能が向上しております。混練撹拌し一般的な吸い込みガンで施工出来るので、一般建築での使用も大変敷居が低い製品です。
とはいえ、この材料が馴染まない箇所も有るかと思いますので、詳細は弊社までお問い合わせいただければと思います。
スカイシールF-2使い方解説動画
正しくお使いいただけるよう、ご使用方法の解説動画も準備しております。
新しくなり利便性が向上しさらに使いやすくなった、スランプしないポリブタジエン系弾性シール材スカイシールF-2をご活用いただければ幸いです。
スカイシールF-2はこちらをご覧下さい
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https://www.dainichikasei.co.jp/product/f2-nizai/