日本下水道事業団「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」及び日本水道協会「水道用コンクリート水槽内面エポキシ樹脂塗料 JWWA K 143」が2017年に相次いで改訂されました。それぞれの規格の主な改訂箇所を解説します。
耐有機酸性の品質規格の追加
本マニュアルではもともと要求特性に無機酸である「硫酸」への耐性を評価することとなっていましたが、下水、汚泥処理過程の水中には様々な成分が含まれ、その中でも酢酸などの有機酸が防食被覆層の劣化要因として懸念されています。
そのため、新たに「耐有機酸性」の評価項目を追加し、評価されることとなりました。
施工管理の負担軽減
旧版では施工管理項目に「専門技術者を常駐させること」と有り、現場規模の大小に関わらず各現場に1名の技術者を常駐させる規則となっていました。
新版では「専門技術者を現場に配置すること」と改訂されました。
適用範囲の拡大
従来JWWA K 143の適用範囲は新設コンクリートに限られていましたが、現在供用されている浄水施設のコンクリート構造物は酸素、炭酸ガス等の劣化因子により劣化が進み、新設時に防食材料が施工された施設でも30〜40年経過すると、下地の前処理不足等による防食材の不具合や経年劣化を生じ、遮蔽性、防水性等の機能低下が見られました。
このような状況を受けて、JWWA K 143の適用範囲を既設コンクリートへ拡大することとなりました。
素地調整材の品質規格を新設
適用範囲が既設コンクリートへ拡大されたことに伴い、被着体に対する防食材料の接着性がさらに求められることとなりました。そのためには素地調整材の性能が重要となり、一定以上の品質を要求するための品質規格が新たに設定されました。
これらの規格改訂に対応するため、当社工法も公的機関での受験を行いました。
その結果、下団マニュアルに「ファインエポシステム」が、JWWA K 143には「アクアエポシステム」が改めて適合となりました。
ファインエポシステムは新たに追加された「耐有機酸性」に対応するため、一部仕様が変更となっております。
ファインエポシステムのA工法、B-1工法のスカイレジンFE-1000は硬化剤中に「脂肪族ポリアミン」を使用しておりましたが、FE-3000の硬化剤に使用されている「芳香族ポリアミン」の方が一般的に耐薬品性に優れていることが知られています。
よって、今回の改訂に合わせてFE-1000をFE-3000に置き換える形で工法の見直しを行いました。
また、C-1工法、D-1工法のクロス入りはFE-1000の廃止に伴い工法としても廃止となりました。
アクアエポシステムについては、年々対象物質が増加の一途にある毒物劇物取締法対策としてより安全な原料を使用することとしました。
また、施工時の作業性を改善するために今回のK143改訂に合わせて改良を行い、主剤と硬化剤の配合比(重量比)が3:1から4:1に変更となりました。
◆スカイレジン アクアエポについてはこちらをご覧下さい。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
https://www.dainichikasei.co.jp/product/aqua.html
◆スカイレジン ファインエポについてはこちらをご覧下さい。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
https://www.dainichikasei.co.jp/product/fine.html
ぜひ一度、弊社営業部までお問い合わせ下さい。