大面積の防水工事に比較的多く採用されているシート防水。最善な防水改修をおこなうには
屋上や屋根の防水にはアスファルト防水が数多く採用されてきましたが、高度成長に伴い様々な防水材が開発されて採用されてきています。
その一つとして進化を遂げてきた工法に「シート防水」があります。
初期のシート防水は、加硫ゴムの密着工法が主でしたが、シート材料の進化に伴い、塩化ビニール系の厚さ1.2o〜2.5oのものが多用されるようになりました。また、全面密着の仕様では下地の水分の蒸散によるフクレ発生等の問題があり、固定用ディスクを下地コンクリートにアンカー留めし、塩ビシートとディスクを溶着固定する機械固定工法が主流となってきています。
塩化ビニール系シートを用いたシート防水工法の利点として
1.塗りや貼りではなく物理的にアンカーボルトで固定するため、下地処理が最低限で
済むことが多い
2.耐久性に優れ、工場生産の為、防水層の厚みも均一
3.広い面積を一度に施工できるので、工期短縮が可能
4.多少の雨でも施工が可能
シート防水の概略図
上図のように物理的な固定方法で、シート材料と下地が直接密着することが無い為、下地が傷んでいてもあまり気にすることなく施工が可能であり、改修工法にも数多く採用されているようです。
メリットが大きいシート防水でもデメリットもあります。
一見とても優れた防水工法に思われますが、良いことばかりではありません。
固定ディスクをアンカーで固定するために工事中に音や振動が発生します。
新築工事ではあまり問題ではありませんが、改修工法の場合には階下には基本的に居住者がいます。そのため施工面積にも依りますが、かなりの数の固定ディスクを設置しなければならず相当な振動音が伴いますので、居住者に不快感や思わぬ不安を与えてしまいます。
500〜600o間隔でディスクを打ち付けますので、膨大な数を打ち付ける作業が必要となり、長時間にわたり振動音が響くことになります。
高度な施工技術が必要です。
屋上は平面だけではありません。トップライトがあったり、キュービクルやエアコンの室外機や配管が縦横無尽に張り巡らされていたりと、複雑な形状の所では施工が困難です。
またそれぞれ立上りがありますのでその仕舞いが困難です。その上、基本的に立上りが200o程度ないと接着が剥がれやすく施工不良が起こりやすいので、非常に高度な施工技術が必要です。
平面でもシートを全面貼付ではないのでたわみが生じますので、たわみなく均一に貼っていく技術と手間が必要になります。
シートもロール状ですので重ね合わせの処理も的確に確実にしなければなりません。
外部損傷や風に弱い
シート材料は塩ビ系で非常に薄い素材でありながら直射日光や劣化には他工法に比較して強く、大きなメリットではありますが、外部からの損傷に弱い傾向があります。その為に歩行用(軽歩行用も)には向きません。メンテナンスの目的で特定の人が気をつけて歩く程度しか耐久性が有りません。
そのうえ固定ディスクの箇所しか溶着されていませんので、歩く場所には注意が必要です。固定ディスクの端部を硬い靴底で踏んでしまうと破損の原因となりかねません。
また、ディスク以外は固定されていませんから、強風の影響を受けてしまいます。台風がよく通過するような地域や風の強い地域では採用できません。耐久性が良いからとはいえ、雨水の流れが悪く常に雨水がたまっていたりすることで直射日光の影響を受けるなど環境が悪いと劣化も早まります。
そういった箇所がもし破断してしまえば、台風のような強風でなくてもめくれ上がってしまった事例もあります。
めくれ上がるまでもなく、万が一損傷してしまえば、先の図のように固定ディスク以外は隙間が生じていますので、浸水してしまいます。ディスクは大きな意味で「点」ですので、一箇所から浸水すれば理屈上全ての面に浸水が行き渡ってしまいます。
全面密着仕様の場合でも、一度浸水すれば、大抵の下地はコンクリートですので下地コンクリートのセメント成分と反応して強いアルカリ性の水が発生します。シートの接着剤はアルカリに弱いため、接着剤がアルカリ水に侵され、シートの浮きが拡大していきます。酷い場合にはシート防水層が剥がれてしまいます。
シート防水の改修工法には目先の手軽さだけではなく、あらゆる要素をカバーできる工法の採用を
近年の改修はほぼ計画的に行われることが多いのではないでしょうか。ボロボロになってやり替える場合とは違い、破損する前にきちんとした防水性能が担保できるように改修するのです。
その為に、目先の手軽さを重視するのではなく、居住者にも施主にとっても価値の高い工法を選択することが重要な要素です。
騒音も無く居住者に「安心感」をもたらすことが出来る工法
躯体に固定ディスクを打つ際に振動ドリルを使用する為、広範囲に振動音が響いて伝わってしまい不快な騒音が発生し、居住者へのメンタル面にも悪影響を与えかねません。
改修工法は防水機能の物理的担保だけではなく、施工時の安全、安心感も必要と考えます。病院や介護施設などではとくに重要視される事項です。
ビッグサンRX工法は、塗膜防水ですので振動はありません。塗りの作業です。脱気筒を設置する際にドリルを使用する事もありますが振動ドリル使用でのアンカー固定ではないため、比較的、音も静かですし、施工箇所もごく僅かです。(約50uに1箇所程度)
RX工法なら、シート貼り工程も下塗り〜上塗り工程も、作業音が階下に影響することは
ありません。
強風の影響を受けにくく軽歩行も可能な防水工法
ビッグサンRX工法は、JASS8耐風性試験:耐風区分3相当です。その為一般的台風のレベルの風速には耐えうるものとなっています。(※風速試験ですので自然界の突発的現象には対応できないこともあります)
風に強いだけではなくビッグサンRX工法では、軽歩行も可能ですので一般的な屋上でも施工が可能です。
JASS 8 試験についてはこちらをご覧下さい。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
https://www.dainichikasei.co.jp/product/bigsun_rx/jass8.html
湿潤状態でも施工は可能
ビッグサンRX工法は、全てが水系ですので多少下地が湿潤していても施工が可能です。雨天では施工は出来ませんが、工事前日に雨が降ったりして完全に乾燥していない状況でも施工できるメリットは大きいと思います。
同じ様な塗布工法でも有機溶剤系であるウレタン防水などは湿潤状態では施工できません。
下地形状にほとんど影響なく施工が可能
ポリマーセメント系塗膜防水材ですので下地の形状が複雑でも塗り込む事で塗膜が形成できますので、高度なテクニックが不要です。
立上り部はどのような工法でも入隅補強処理を行わなければなりませんが、ビッグサンRX工法はそのなかでも比較的高度なテクニック不要で端部処理が可能な工法ですので、屋上に排水管や機械設置などがあっても、他工法に比べて簡単に施工が可能になっています。
立上り部が側溝であっても、シートを貼るだけですので、シート防水のように固定金具などを設置する手間が必要ありません。
水系で安心安全な工法
オール水系のビッグサンRX工法は一切の有機溶剤を使用しません。そのため振動音だけではなく、臭気がしません。屋上だからと有機溶剤を使用しても以外と階下や近隣周辺に臭気が漂いクレームの元になる事が多々あります。
また作業者そのものにも臭気による健康への影響がありません。
下塗りから上塗りまでの全ての材料が
水系のため、作業者も防護マスクなどをする
必要がありません。
ビッグサンRX工法は、ポリマーセメント系塗膜防水材として初めての通気緩衝工法です。通気緩衝工法は下地からの水蒸気の吐出から防水材のフクレを防止できるだけではなく、下地の動きにも対応出来ます。
改修工法で下地を撤去せず上から被せる工法を選択した場合には特に重要なことです。
そもそもの下地や下地と既存防水の間に空気や水分がたまっていて、それが吐出してくることも懸念しなければなりませんが、その心配がほぼ不要です。
(下地や既存防水の痛み度合いを適切に処理後に施工した場合)
シート防水の改修工法にも多数採用されている実績
ポリマーセメント系塗膜防水材であり、通気緩衝工法である「ビッグサンRX工法」は発売開始後かなりの月日が経ちますが、その利点とパフォーマンスを認められ数多くの現場で採用されてきました。
改修工法にはなくてはならない存在になりつつもあります。おのずと、新設ではシート防水をおこなったが、改修では再度のシート防水より、その先々を見据えて「ビッグサンRX工法」を採用いただいていることが数多くあります。
このように、シート防水で改修工法にシート防水を採用するのではなく、シート防水のデメリットをカバーするだけではなく、オール水系なので安心かつ施工性も良く全体的なパフォーマンスが良好であるという見知から、ビッグサンRX工法を採用いただけております。
シート防水だから改修もシート防水という固定概念ではなく、より良く安心安全に防水改修工事がおこなえる、ビッグサンRX工法をぜひご採用くださればと思います。
RX工法についてはこちらをご覧下さい。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
https://www.dainichikasei.co.jp/product/bigsun_rx/
https://www.dainichikasei.co.jp/product/bigsun1/bigsun1_kouhou.html#rx
ぜひ一度、弊社営業部までお問い合わせ下さい。