その堅牢性と意匠性からビルやマンションの外壁材として使用されているタイルも万能ではありません。剥がれ落ちる危険性が潜んでいます。そこで活躍するのが外壁タイル剥落防止工法、なかでもJKクリアファイバーW工法は既存タイルの意匠性を損なうことなく強靭にタイルを剥落から守ります。しかも業界初の完全水性ですので安心してご使用頂けます。
中規模以上のマンションやビルの構造はほぼ大半が鉄筋コンクリート造です。鉄筋はその字の通り鉄製ですので錆に弱く、強アルカリ性であるコンクリートで包み込むことで鉄筋を錆から守り強固な作りを永年維持できるのですが、経年による大気中の二酸化炭素との反応や酸性雨の影響でコンクリートが中性化してしまい、鉄筋が錆びてきてしまいます。
そうなると鉄筋の腐食による膨張からコンクリートのひび割れへと繋がり、更にひび割れに雨水が侵入し、鉄筋の腐食が進むという悪循環が発生してしまいます。
そのため、通常コンクリートの表面を塗装やタイルで保護しています。昨今ではデザイン上からコンクリートむき出し(打ちっぱなし)の壁もありますが、やはり透明塗料や撥水剤を塗布して保護しています。
昔はタイルが高価だったので殆ど使用されていませんでしたが、昭和40年代頃から高級マンションに採用されその美観の良さから一気に外壁タイル仕上げのマンションが増えだしました。多数が使い始めると単価も下がるのかビルでも加速的に外壁タイル仕上げが主流となりました。
磁器タイルそのものは1300度以上の高温で焼き固めた強固なものですので、メンテナンス不要ともいえるのですが、下地であるコンクリート躯体、下塗りのモルタル、張り付けられたタイル、それぞれの温湿度膨張係数が異なるため、温度や湿度の変化で各部材が伸縮をくり返すことで疲労が蓄積し接着面で剥離が発生するとされています。
また、高層になるにつれ建物の微動や地震の揺れの影響も大きくなることから、より剥離しやすいこともありえます。
※下地モルタルにウキやワレが生じタイルが剥落してしまった事例
1989年に北九州市の団地で最上階付近のタイルが落下し通行人に直撃、男女3名が死傷する事故が起こりました。この後も、東京や大阪の雑居ビルで外壁タイルの落下事故が起きています。
これらの事故を重く見た国は、建築基準法における定期報告制度にて、「10年ごとの外壁全面打診検査」を持ち主・管理者へ義務化しました。
打診検査などでタイルのウキやワレが見つかった場合には、それぞれに適したタイル張り替えなどの補修工法をおこなう事になりますが、ウキの特定が困難な場合もあり、実際には浮いているのに見落とされる可能性もあります。さらに、損傷箇所のみの補修になる為に、問題が無い場所においても近い将来劣化しウキやワレが生じる可能性も十分ありえます。
また点検では一箇所も見つからなかったからといって、そのままで良いとはいえません。今日は問題なくとも明日問題になる可能性を秘めているからです。
そこで壁全体をビニロン繊維とカーボンファイバー含有のモルタルで塗り固め、アンカーピンで躯体に固定することで剥落を防止する工法が採用され始めました。しかしタイルの上から塗り固め、塗装仕上げやシート貼りをすることになるため、そもそものタイルの意匠性は無視されてしまい外観がまったく違うものになってしまうという欠点があります。
意匠性をそこなわない工法として透明な特殊樹脂をタイル面に塗布することで強度を持たせ、タイルの意匠性を損なわずに剥落防止がおこなえる一石二鳥の優れた工法が開発され多数採用されました。
しかしこれら全ての材料が溶剤系であるということも些か問題になりつつあります。京都議定書以降、安心安全が重視されるようになり、水性材料が求められるようになりました。
そもそもマンションの改修工事はすでに居住者が住んでいる、商業ビルでは入居者や利用者が往き来する環境で工事がおこなわれます。
特にマンションでは高齢者や年少者もいることから健康被害の影響が非常に危惧されるものです。
大日化成では、日本樹脂施工協同組合様との協業でオール水性透明樹脂タイルピン固定剥落防止工法、「JKクリアファイバーW工法」を開発しました。
主な特長として
アンカーピンで既存タイルを固定し、その上から材料を塗布することで剥落防止が実現でき、かつこれまでに無い完全水性を実現しています。
すでに安心安全を主とした水性材料のものも業界にはありますが、実は下地材や仕上材が溶剤系の材料であったりします。剥落防止層の材料は水性でもその他の材料は溶剤系であるというものですと、施工時には溶剤臭が漂ってしまいますので、水性を謳うにはいささか片手落ちになってしまいます。
材料試験の数値では分かりづらいために、一目で分かるように非常に単純な実験をおこないました。
タイルユニットそのままのものと、同材料にJKクリアファイバーWを塗布したものを用意し、それぞれのユニットの後部からハンマードリルでダイレクトに振動を加えたものです。
その動画は下記からご覧いただけます。
動画をご覧いただくと一目で分かりますが、なにもない素の状態のタイルユニットはボロボロと表面のタイルが剥がれ落ちてしまっています。
しかし、JKクリアファイバーWを塗布した方は、タイルは浮いているもののJKクリアファイバーWの塗膜が追従し剥落しません。
目地のモルタルは崩壊していますが、しっかりとタイルの剥落を防止しています。
数値だけでは分かりづらいですが、単純な実証試験とはいえこうして比較すると一目で剥落防止が出来ていることをお判り頂けるかと思います。
実験では振動ハンマードリルで付加をかけていますので、実際にはこのような大きな負荷が局所的に建物に掛かる事はまずありませんが、建物は常に微動していますし、免震装置の無い建物でも大きな地震にも耐えうるものと思われます。
先述のようにタイル接着に係わる膨張係数の違いから生じるウキやワレが生じていても、大切な資産である建物を剥落からまもり、なにより第三者への被害を未然に防ぐことが可能です。
既存タイルの意匠性を損なわず、完全水性で安心なJKクリアファイバーW工法を是非ご採用くださいますよう、お願い申し上げます。
なお、JKクリアファイバーW工法は日本樹脂施工協同組合様との共同開発品としてOEM供給している製品となります。お問い合せ等は日本樹脂施工協同組合様へお願い致します。
日本樹脂施工協同組合(樹脂協)とは
日本樹脂施工協同組合は、昭和54年に設立した「日本樹脂施工協会」を基に、平成2年に新たに設立されたコンクリート 建造物の仕上げ材の落下防止や美観の向上をはかる等、補修・改修・補強工事を行う全国の専門業者が集まる団体です。
現在、全国に約150社おり、調査・診断から設計・施工に関して長年の経験と優れた技術を持っております。 また、団体として重要文化財の保存工事や、国家資格の技能検定及び職業訓練の実施協力等を行っております。
日本樹脂施工協同組合様のJKクリアファイバーW工法紹介ページはこちらです。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
https://jkk.or.jp/jkclearfiber/index.html