非排水型鋼製伸縮装置では、漏水すると橋梁に影響が出てしまいます。過酷な条件下でもそれを防止する弾性シール材
まずは、30余年間に渡り、機能し続けてきた「スカイシールF-1」をご覧下さい。
橋(橋梁)は、川や渓谷・海などの上に掛け渡し、道路として人や車・鉄道を通す大変重要な構造物です。人や車、鉄道を通すため堅牢である事が重要な要素の一つです。
現在日本には15万以上の橋(橋長15m以上)があります。全ての道路橋となると70万以上あるともいわれており、建造後50年を過ぎた老朽橋は40万に達するとのことです。
あまり古い橋梁は掛け替えが望ましいのかもしれませんが、費用も莫大に掛かりますし場所によっては掛け替えのために架設橋が必要なところもあります。
その為に損傷が大きくなってからでは将来的に大規模な修繕費用のかかる掛け替えになってしまうため、日々メンテナンスや修繕改修が行われています。
橋梁は幾つかの方式がありますが、基本的な考え方として、下図のように橋脚や橋台のうえに躯体をおき支承によって床板を乗せている形になります。
床版 橋の上を通る車両の重みを橋桁や橋脚に伝えるための床板
支承 主桁・主構と橋台や橋脚の間に設置する部材
橋台 橋の両端で橋をささえる箇所
橋脚 橋をささえる柱
単純橋といわれる、床板が1つのものであっても、複数のものであっても必ず支承のうえに乗っかっています。
上図の赤の点線枠のように床板と床板・取付道路側とは縁が切れています。
これは橋梁が直射日光や気温の寒暖差で伸び縮みしたり、地震や車両の通行にともなう変形に対応するためで、電車の線路の継ぎ目に隙間が有るのと同じ考え方です。
しかし単に隙間を空けているだけでは、橋梁と橋梁がぶつかり合ったり、ずれたり引っかかったりして危険ですので、伸縮装置と言われるジョイントを設けます。ジョイントには鋼製フィンガージョイントなどが用いられますが、ゴム製のものもあります。
概ね下図のイメージです
伸縮装置(鋼製フィンガージョイントなど)は、橋梁の種類(ラーメン橋・トラス橋・アーチ橋・斜張橋・吊り橋など)にかかわらず、必ず必要なものです。
道路橋の場合、ジョイント箇所は常に直接通行車両からの荷重を受けており、劣化損傷しやすいところでも有ります。
また降雪地域はもとより、冬期には凍結防止剤の散布が行われるため、それらの塩分が鋼製フィンガージョイント部に浸入し腐食につながったり、古いタイプの鋼製ジョイントでは排水型が多かったことから土砂などの堆積により排水機能が機能せず水がたまりやすくなり、そこからの腐食も懸念されています。
排水機能が低下すると、そこから主桁へ水が浸透し主桁が損傷しかねません。 主桁が損傷してしまうととてつもない大がかりな改修や補修が必要となるために、転ばぬ先の杖として「橋梁伸縮装置改修」を適宜行う必要があります。そもそもの伸縮装置の耐用年数は条件の悪いところであれば6〜10年程度とも言われています。
また近年の伸縮装置では「非排水型」が多いのですが、シール材の種類によってはジョイントの隙間へ土砂などを大型車両などが通過する度にシール材を押し込んでいってしまいシール材を脱落させているような事例も散見されています。
これはシール材接着性の限度や過度な圧縮(縮み)に耐えられず想定以上の応力が加わったものと思われます。シール材の物性上持ちこたえるはずが、気温の低下や降雪などで縮む性質が低下しているものと思われます。
どのメーカーのシール材でも伸びはかなり好成績をだしていますし、気温が上がればシール材も温められるので伸び率はかなり良くなるかと思います。
しかし冬場の寒いときこそ伸び縮みの性質を担保する弾性シール材が求められるわけです。
橋梁を守り出来るだけ長く使えるようにするには、こういった目に見えない鋼製フィンガージョイントの弾性シール材の性質が重要な要素の一つとなってきます。
スカイシールF-1は、ポリブタジエンを主成分とする二成分型弾性シール材で、優れた接着性、復元性、耐水性、耐久性があります。
鋼製フィンガージョイントの耐久性を担保するべく、橋梁接合部の隙間から主桁や支承へ水を浸入させない防水機能をもった伸縮性のある弾性シール材です。鋼製フィンガージョイントへの卓越した接着性を持ち、弾性に富んでいることから亀裂の心配もまずありません。そのためジョイントの伸縮にも充分追従しますので主桁と主桁などの変動に対応します。
低モジュラスですので、耐震性にも優れており、高温のみならず低温下でも優れた弾性を発揮しますので、寒冷地でも仕様に適しているのが大きな特長です。
伸びの実験動画はこちらです
試験項目 | 条件 | 規格 | 試験方法 |
比重 | 20℃ | 1.1±0.2 | JIS K 6350 (1976)準拠 |
200hウェザー | 1.1±0.2 | ||
硬度 (ASKER C) | -20℃ | 45±5 | JIS K 7312 準拠 |
20℃ | 8±5 | ||
50℃ | 1〜5 | ||
200hウェザー | 8±5 | ||
破断時の伸び (%) | -20℃ | 500以上 | JIS A 5758 準拠 |
20℃ | 600以上 | ||
50℃ | 500以上 | ||
水浸漬後 | 600以上 | ||
200hウェザー | 600以上 | ||
最大引張応力 (kN/m2) | -20℃ | 350以上 | JIS A 5758 準拠 |
20℃ | 80以上 | ||
50℃ | 50以上 | ||
水浸漬後 | 80以上 | ||
200hウェザー | 80以上 | ||
50%圧縮応力 (kN/m2) | 20℃ | 70±50 | JIS K 6767 準拠 |
50℃ | 60±50 | ||
復元性 (%) | 50%圧縮 | 90以上 | JIS K 6262 準拠 |
180度剥離接着強さ (kN/m) | 20℃ | 0.5以上 | JIS K 6854 準拠 |
200hウェザー | 0.5以上 | ||
せん断接着強さ
(kN/m2) | 20℃ | 200以上 | JIS K 6850 準拠 |
200hウェザー | 200以上 | ||
硬化時間(日) | 20℃ | 3以内 | 硬化安定化の日数 |
セルフレベリング | 20℃ | 良好 | JIS A 5758-1992 準拠 |
引っ張り圧縮繰り返し試験 | 7000回 | 異常のないこと | JIS A 5758 準拠 |
注)上記規格、試験方法は(株)高速道路総合技術研究所発行の「構造物施工管理要領」に基づいて設定しています。
橋梁を守るためには、日々メンテナンスをおこない、必要に応じて補修や改修が必要です。道路橋では床板と同等に通行車両の荷重をうけ、気温差による悪環境で雨ざらしになっている「鋼製フィンガージョイント」を橋梁改修としておこなううえでの第一歩と思われます。
主桁を少しでも長く安全に維持したいのは、管理者にとって最大の思いです。通行する利用者にとっても掛け替えとなると不便を強いられてしまいます。
最小限の橋梁改修として、鋼製フィンガージョイントの改修がもっとも適していると考えます。その為にも優れた機能を持った弾性シール材を使用する事が必須条件です。スカイシールF-1はそれらの諸条件を満たす数少ない弾性シール材です。
最初に示した、30余年にわたり鋼製フィンガージョイントのシール材として機能してきたスカイシールF-1の実績をご覧になるとお判りいただけます。
引張試験
圧縮試験
試験項目 | 規格 | 30年経過 | 直近10ロット平均 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
表面劣化部 | 躯体内部 | 10ロット平均 | 最少 | 最大 | ||
比重 | 1.1 ±0.2 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 | 1.1 |
最大引張応力(kN/u) | 80以上 | 146 | 146 | 305 | 205 | 445 |
伸び率(%) | 600以上 | 762 | 841 | 981 | 848 | 1161 |
50%圧縮応力(kN/u) | 70±50 | 26 | 45 | 35 | 57 | |
硬度(アスカーC) | 8±5 | 4 | 5 | 4 | 7 |
※30年以上前の検査記録が残っておらず、近々10ロットの製品検査値を比較としました
30余年経過していても基準値には合格するものとなっています。
様々な見知からも安心できる、弾性シール材ではないでしょうか。
実際の高速道路で30年間雨風にさらされ、使用されてきたにもかかわらず、これだけの性能を維持し続けてきたスカイシールF−1。
橋梁改修としての鋼製フィンガージョイント(伸縮装置)の取り替えには、無くてはならない弾性シール材としてお判りいただけたかと思います。
スカイシールF−1については、こちらをごらん下さい。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
https://www.dainichikasei.co.jp/product/skyseal.html
ぜひ一度、弊社営業部までお問い合わせ下さい。