昨今の世情にともない環境配慮型を謳う防水材が様々上市されておりますが、真の意味での環境配慮型防水材はどういったものなのかを考えてみました。
90年代のオゾン層破壊問題以降、地球規模での環境問題への取り組みが活発になってきました。環境問題といっても幅広いものでありますが、ここでは昨今の時勢にあわせるべく上市されている「環境配慮型防水材」とはどういうものなのかを考えてみたいと思います。
環境に配慮した製品という事になりますが、なにを以て環境に配慮なのかという事は、少しずつ違っているのではと思います。
ざっと見渡すと
材料に起因するもの
施工時に旧来品とは違う方法で行うので環境に配慮しているというもの
改修時に廃棄するものが激減するというもの
改修時にでる廃材が再利用可能というもの
などが存在するようです。
スチレンはFRP系防水材の根幹をなすものですが、独特の臭気を放つもので大多数の人には異臭と感じ取られるものです。
塗料系等によく使われるトルエンやキシレンなどの溶剤とは違い全ての成分が揮発するのではなく、スチレン自身が樹脂の硬化とともに防水層として機能するもので、スチレンの揮散は8%程度とごく少量であるとされています。
厚生労働省が示すシックハウス症候群ガイドラインには室内濃度指針値には一定基準以上であれば抵触してしまいますが、防水を施工するのは室内ではなく大半が屋上やバルコニーなど屋外となるために、対象外となっています。
そういった事から、環境に配慮しているとも言えるかもしれませんが、前述した通りかなり強烈な臭気がある為、 材料メーカーはこぞってスチレンが少ないもの、または含まれないものを開発してきています。
しかし、まだまだ旧来品が流通しているのが現状です。
ウレタン系塗膜防水材でも同じ様なことがあり、特に特化則の規制対象となる材料を極力抑えたものや全く違う材料を使用するものが上市されています。
とはいえこちらも規制値を下回れば法的には問題は無いので、規制対象となる材料を含んだ材料もまだまだ流通しているようです。
防水の歴史=アスファルト防水となる位防水には欠かせない工法ともいえます。しかし熱工法では溶融釜でアスファルトを加熱するため、臭気や煙が多量に発生します。
そのため溶融釜を使用しない冷工法が開発されましたが、これも改良に改良を重ねて、煙や臭気が無くなるだけでは無く、防水層が少なくて済むような環境問題に一歩進んだ製品も、環境配慮型といえるでしょう。
主に改修時に既存の防水シートを撤去せず容易に上から被せることが出来る(カバー工法)が実現出来る製品も、撤去の手間暇だけではなく、廃材の処分に係わる環境配慮ともいえます。
また、撤去しても再利用しやすい材料で構成されるものもあり、エコという意味合いからも環境配慮型ともいえるでしょう。
上記の工法はあくまでも材料に起因する環境配慮型といえるでしょう。しかし施工時や施工後にも環境配慮する必要は有るのでは無いかと思います。
FRPやウレタン系防水材では、規制値を下回るものでも有機溶剤である事には違いありません。まだまだ稀ではありますが防水材が水性であってもプライマーは有機溶剤を使用するものであることもあります。
規制値をこえると問題になりますが、下回っているものは対象外です。そのため、環境配慮型材料とはいえ施工時には臭気が発生することが多々あります。
新築ならまだ周辺への影響は少ないかもしれません。しかし改修工事となると話は変わってきます。居住者や建物の利用者がいる中での作業となるのが大半だからです。
新築であっても作業者への健康被害は危惧しなければなりません。また田んぼの中の一軒家であればほぼ問題ないのかもしれませんが、都市部となると隣接区域への影響も考慮しなくてはならないでしょう。何時何時から工事を行いますと案内したところで臭気は消えません。
概ね工事の際には建物の周囲には、足場が組まれシートで囲われるため、ある種、煙突状態になり周辺への影響は少ないのかもしれませんが、高層建築ばかりではありません。世の大半は低層階の建物です。
防水改修時には、建物の居住者・利用者がいる中ですので窓を開けるなといったところで、不思議なものでどこからともなく臭気は漂ってしまいます。
とあるマンションの改修では「工事期間中窓を開けないでください。ベランダには出ないでください。」と通知され開けないでいたにもかかわらず、寝室に臭気が漂い、ここでは眠ることは出来ないとリビングで眠ったという事例も実際にあります。
そのような環境では向こう三軒両隣にも影響は少なからずあると思われます。
作業者も防臭マスクをしなければなりませんので、効率も悪くなることでしょう。また使用量によっては有機溶剤の管理者も選任しなくてはなりません。
工場で製造されたアスファルトシートを敷設していくのですが、熱工法は下地に密着させるためにアスファルトを熱してとかしたものを接着剤のように使用するので、溶融釜が必要です。
他方で冷工法はいわゆるシールを貼る要領で裏面のシートを剥がして貼り付けていくイメージです。そのため溶融釜は不要ですので臭気はしないと思うのですが、実際にはトーチを使用するシーンが幾つか存在します。
シートを貼り継ぐ場合、シート同士の端部を重ね合わせて貼り付けなければなりません。突き合わせではそこから浸水する可能性が有るためです。その重ね部をトーチで熱してとかして溶着させるのです。
熱工法に比べて火器の使用量としては少なくなりますが、ゼロではありません。
他方でビッグサンは、プライマー・防水材・トップコートと全ての材料が「水性」です。有機溶剤を一切使用しません。そのため独特な臭気はありません。
全くの無臭?といえば仄かに樹脂の臭いはしますが、材料缶をあけてのぞき込まなければ判らないレベルです。
新築では全く問題は有りません。仮にベランダの防水改修を行っている際に、居住者に窓を開けられても臭気での問題はまず有りません。
作業者も臭気への対策は不要です。もちろん近隣への臭気に関する対策も必要ないでしょう。
ビッグサンは塗膜防水材ですので、防水層を塗り重ねて構成されます。つまり下地と密着しなければダメです。これはウレタン系防水材でも同じ事です。防水改修時には費用や期間の観点から、既存防水材を撤去せずその上から新たに防水材を施工することが大半です。(もちろん膨れや浮き等があれば、撤去・修復等の下地処理は必須です。)
そのため下地(既存防水材)に何を使われているかで新規の防水材と密着させるプライマーの選定が特に重要になります。
一般的なプライマーは有機溶剤を使用するものが大半です。とくにウレタン系塗膜防水材では防水材そのものは水性でもプライマーは溶剤系を使うことが大半です。
しかしビッグサンは「プライマーも水性」で出来ています。
材料そのものも環境に優しい材料を使用しておりますので、材料・施工ともに環境に配慮した真の環境配慮型防水材といえるのではないでしょうか。
また、ビッグサン防水材(SC-100・R-100)は平成4年に、防水材としては初めての「エコマーク商品」に認定され、地球環境に優しい商品として認められています。
新築から10〜15年後に防水改修を行ったとします。しかしその10年後にはまた改修時期がやってきます。その場合には3回目の防水工事となりますが、同じビッグサンを上から塗布するので清掃さえきちんと行えば、楽に早く改修が行う事が可能です。
これは環境配慮の材料という概念にエコロジーという概念も付加出来るわけです。
全ての材料が水性であるポリマーセメント系塗膜防水材ビッグサン。
これこそが真の環境配慮型、いや唯一無二の環境配慮型防水材では無いでしょうか。
ビッグサンに関してはこちらをご覧下さい
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
https://www.dainichikasei.co.jp/product/bigsun1/