外壁に磁器タイルが使用されている建造物は数限りなくあります。磁器タイルの特長である半恒久的な堅牢さと外観の美しさなどからです。しかしながら地震大国である日本では微動地震が数多くあり、また周辺環境からも地盤の揺れは頻発しています。
その揺れに伴いタイル目地やタイルそのものにクラックが起こってしまい、その隙間からの漏水で浮きや剥がれがおきやすくなっているのが現状です。新築時の施工方法が直貼り工法であった場合クラックがおきると破損しやすくなることから、外壁タイル剥落(落下)事故の危険性が潜んでいます。
外壁磁器タイルが傷んでくると張り替えるということが主流でした。しかし張り替えとなると同じタイルで張り替えても風合いが同じになる事が困難で、張り替え痕が目立ってしまいます。
そこでタイルが浮いている箇所に特殊ピンを打ち込み物理的に固定、その上から直接樹脂を塗り被膜を形成して剥落防止をおこなう工法が主流となりつつありますが、溶剤系が大半です。
昨今の世情から環境に配慮した材料が望まれることが多くなってきています。作業を行う上でも溶剤系材料では、特化則の規制などもあり施工現場からの要望でも水系材料を使用する事が増えてきています。
各メーカーは環境配慮型の剥落防止工法を開発してきておりますが、水系(水性)をうたっていてもプライマーや上塗り材に弱溶剤系を使うものばかりで、完全な水系材料はありませんでした。
そこで、日本樹脂施工協同組合様よりご相談頂き、大日化成と共同開発で「プライマーから上塗りまで全ての材料が水系(水性)」である、JKクリアファイバーW工法を開発致しました。
これは業界初の快挙となります。
ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆取得もしており、公にも認められた安心材料です。
補修改修というものは、すでに居住者がいることが大前提です。溶剤系の材料を使用する場合幾ら外部で使用しているといえども、内部(居住区域)へ溶剤系特有の臭気が入り込み居住者の健康被害を脅かすものとなります。
特に高齢者や小さい子どもにシンナー臭を嗅がせることは危険な行為となります。
また作業者そのものはダイレクトに臭気を吸い込んでしまいますので、防毒マスクなどは必須となり作業効率も低下しかねませんが、完全水系材料であるJKクリアファイバーW工法ではノーマスクでも臭気を気にすることなく作業を行える上に、居住者にも一切の迷惑はかかりません。
JKクリアファイバーW工法では伸びの強い高性能ウレタン樹脂(水系材料)でタイル面の動きに追従し強固な塗膜強度の高さを発揮しますが、剥落防止の性能を担保するには些か力不足なところは否めません。
その為、「高強度特殊繊維を配合」することで、万が一タイルが破損しかつ建物がゆらいだとしても確実に剥落防止層を形成する剥落防止層を実現しました。
全ての材料が水系というだけではなく、1材型になっています。2材型であれば配合時の配合ミスで正しい効果を得られない施工ミスが心配です。
また攪拌する際に混入する気泡混入の心配もなく、比較的簡単に確実に施工することが可能です。
特殊ウレタン樹脂で形成される塗膜や超高強度特殊繊維を使用しているため、透明度は高く施工するタイルの意匠をそのまま活かすことが可能です。
上塗りの仕上げも艶あり・半艶と二種ありご希望の艶を選択して頂く事が可能です。
基準の厳しいことで有名であるUR都市機構 機材の品質判定基準「外壁複合補修工法」に全て合格し
性能が証明されています。
項目 | 判定基準 | 試験結果 | 判定 | ||
1 | コンクリート躯体に対する アンカーピンの引き抜き試験 |
1,470N以上 | ф4.5mm : 3,745N | 適合 | |
2 | 複合補修層に対する アンカーピンの引き抜き試験 |
1,470N以上 | ф4.5mm : 3,382N | 適合 | |
3 | 複合補修層の接着強度試験 | 0.7N/mm2以上 | タイル張り:2.2N/mm2 仕上げなし:2.2N/mm2 |
適合 | |
4 | 複合補修層の補強効果確認 (面外曲げ)試験 |
曲げ荷重が490Nもしくは 変位30mmで破断しないこと |
変位30mmまで破断なし | 適合 | |
5 | 温冷繰返しに対する耐及性試験 | 0.5N/mm2以上 | タイル張り:2.1N/mm2 仕上げなし:2.9N/mm2 |
適合 |
項目 | 参考規格 | 物性結果 | 引張強さはマイナス温度でも驚異の伸び率!
寒冷地でも安心! JIS A 6021 外壁用塗膜防水材 参考規格:ウレタンゴム系 |
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1 | 引張強さ | 2.3N/mm2以上 | 16.4Nmm2 | |
2 | 伸び率(23℃) | 450%以上 | 604% | |
3 | 伸び率(−20℃) | 250%以上 | 400% | |
4 | 引裂強さ | 14N/mm以上 | 52.4N/mm | |
5 | 透水性(B法) | 0.5ml以下 | 0.0ml |
トップコートを塗布したろ紙を各5種類のカビと藻で4週間培養した結果
JKクリアファイバーW工法は日本樹脂施工協同組合様と大日化成株式会社が共同開発を
おこなったOEM供給製品となります。
JKクリアファイバーW工法についてのお問い合わせは、下記より日本樹脂施工協同組合様へ
お問合せ下さい。
日本樹脂施工協同組合は、昭和54年に設立した「日本樹脂施工協会」を基に、平成2年に新たに設立されたコンクリート 建造物の仕上げ材の落下防止や美観の向上をはかる等、補修・改修・補強工事を行う全国の専門業者が集まる団体です。
現在、全国に約150社おり、ほとんど調査・診断から設計・施工に関して長年の経験と優れた技術を持っております。 また、団体として重要文化財の保存工事や、国家資格の技能検定及び職業訓練の実施協力等を行っております。
日本樹脂施工協同組合様のJKクリアファイバーW工法紹介ページはこちらです。
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https://jkk.or.jp/jkclearfiber/index.html