最近、主に緑地面積確保を目的に設計されていた「屋上緑化」が、いつの間にか「太陽光発電」に切り替わっている事が多々見受けられます。
しかし建築確認申請が下りないのでは?と思われますが、工場立地法や各自治体の規定が変更になり、屋上に太陽光発電を設置した場合でも環境施設としてその太陽光パネルの設置面積が含まれるようになったのです。
ご存じのように、発電した電力を電力会社に売る事ができ、しかもシステムが変わり38円/kwで(10kw以上の事業用太陽光発電設備については1kwあたりの売電価格は37.8円)各電力会社に買い上げてもらえ、しかも20年間買い上げが保証されているのです。
数年たてば利益を生む太陽光発電ですので、ビルやマンションオーナーは見た目や目先のの利益を生み出さない、屋上緑化から切り替えてしまっているのです。
基本的に太陽光パネルは、設置している建物下への熱をある意味遮断するのですが、パネルそのものが熱を吸収するわけではありません。単に反射して周囲へ熱をまき散らしています。 ソーラパネルをじっくり見てもらうと解りますが、鏡と同じようなものです。
真夏日には直射日光がまともに当たるわけですから、ソーラパネルの温度は80度以上になります。砂漠の炎天下にフライパンを置いて目玉焼きを焼く実験をご覧になった方も有ると思います。それだけ高温になるのですから、太陽光パネルそのものにも影響がでてくるのです。最悪の場合太陽光パネルの寿命を縮めてしまうばかりか、周囲はどんどん高温になって環境に影響を及ぼします。
緑化(植物)は、蒸散作用のおかげで周辺の温度を下げる効果があります。その為に、ソーラパネル単独よりも緑化を併設した方が、発電効率が3%〜16%増加するといわれています。
海外でも、屋上緑化は、「太陽電池パネルの効率を向上する」と、様々なサイトで紹介されています。
紹介例
cleantechnica(USA)
国内では、国立長岡技術科学大学で屋上緑化と太陽光発電のコラボを実験して、比較的に良い結果が出ています。 (太陽光6:緑化面積4)
また環境先進国ドイツでも、既に多くの現場で太陽光発電と緑化のコラボが普通に実施されています。
← ドイツでの実施例 (国交省都市局公園緑地・景観課HPより)