役目を終え改修工事にも、次々と採用されています。
私達が日常使用している水道水ですが、この蛇口に至るまでには様々なドラマがあります。
ご存じの通り、河川から浄水場へ取水し、飲める状態にしたものを各家庭などへ送水されているのですが、この「浄水場」では一体何をしているのかと思われるかも知れません。
浄水には「緩速濾過」方式と「急速濾過」の二通りがあります。
戦前では緩速濾過が主でしたが、何層もの層でゆっくりと濾過するために1日に処理できる量が少なく、戦後は急速濾過が主流となっています。
急速濾過法では、早く確実に濾過できるように、浮遊物を集めるための凝集剤や、消毒のための塩素などの薬品を用いています。
地域にもよりますが、昭和50年代後半辺りから水源の水質が悪化してきたこともあり、塩素を大量に入れたため、水道水が「カルキ臭い」と言われるようになってしまいました。カルキ臭というのは、塩素の臭いです。
また、これとは別に塩素消毒の際に水中の有機物と反応して生成トリハロメタンが発生してしまいます。トリハロメタンというのは総称で、消毒の際に発生するトリハロメタンの大半は、クロロホルムといわれています。
このトリハロメタンは微量ではありますが、永年に渡り取得し続けると「発がん性」があるため、水道水としては好ましくありません。ただし10分以上煮沸すればトリハロメタンは消滅することが解っていますが、現実的ではありません。
そこで、新たに高度浄水という方法が開発されました。
これは、オゾン(O3)と粒状活性炭による処理をおこない、急速濾過法にて発生してしまうトリハロメタンなどの物質を大幅に減少させることができ、カルキ臭やカビ臭を取り除いてくれます。 また、病原性微生物に対する安全性の向上も期待できることから、昭和60年あたりから徐々に取り入れられてきました。
そのお陰で、水道局が「美味しい水道水」として販売するほどになっています。
とくに大阪では水源となる琵琶湖でのプランクトンの発生による水質の悪化、滋賀県・京都府からの排水を経て取水するために、全国でも早くから高度浄水が採用されるようになりました。 オゾンによる殺菌力の利用は、食品業界・医療など様々な分野で利用されています。
このように大変優れた「高度浄水」なのですが過程において様々な課題があります。 オゾンは自然界に発生するものとしては、フッ素につづく殺菌力をもっていることから、その影響もあります。水道水として送水するためには残留オゾンがないように処理されていますが、その処理をする各層に影響が出ます。
つまりは、浄水場で水を貯めて処理をしている水槽の表面が劣化してしまいます。
浄水場における水槽から水が漏れては如何ともしがたい結果になります。当初は手探り状態で防水層も施工されたのですが、一般的な防水工法であれば、使用するに伴い劣化が激しく水漏れの原因となってしまいました。
そこで、開発したのが「耐オゾン性」を誇るUGA工法です。
大阪でも早くから高度浄水を取り入れた、村野浄水場や庭窪浄水場などにおいて、多数採用されております。
採用実績は下記からご覧いただけます。
https://www.dainichikasei.co.jp/product/uga/results.html
UGA工法の最大の特長は
「耐オゾン性を有するポリマーセメント系塗膜防水材」 と言うことです。
水系の材料で構成されているために、施工時の火災や作業員の中毒などの心配がありません。作業性も良く、効率的に施工が可能です。とうぜん実際に使用される際には水道水が貯留されるわけですから、人体への影響が限りなく無いのもご採用いただく大きな理由です。
大阪府枚方市に有る村野浄水場は、日本で1番とも言われる大規模浄水場として有名ですが、世界的にも珍しい、立体式の階層系上水施設としても有名です。これは急激に高まる水需要に対応すべく拡張工事が成される際に、用地確保が困難だったために、階層式にして容量を増やしたものです。
その拡張時に高度浄水が採用され、あわせて防水工法に「UGA工法」が採用されました。
採用年度は1993年ですので、25年以上の実績があります。 しかし施工後2年経過した、1995年に大変な事態が発生しました。阪神淡路大震災です。村野浄水場が位置する枚方市も大きな揺れをともないました。浄水場の各層はとてつもなく広く、ましてや地中ではなく地上に設置された「階層式」であるために、とんでもない揺れが有ったと思われます。
しかし、UGA工法を採用した水層には一切クラックなども認められず、水漏れもありませんでした。大震災の揺れを耐え抜いたのです。その後もほとんどメンテナンスすることもなく25年を経過し現在に至ります。
1993年に施工された村野浄水場の耐オゾン性ポリマーセメント系塗膜防水UGA工法も阪神大震災というハプニングがあったにもかかわらず25年を経過したのですが、25年で防水を再施工するという計画の元に運用されていました。
つまり25年経過した防水層の「改修工事」です。
一般的な防水の改修工事では、同じものを使うことが多いのですが、経過の状態や、昨今の安全性を考慮して、水系にとって変わることが多くなってきています。 しかしUGA工法は、そもそも水系です。ましてや25年間何事もなく「仕事」をしてきたのですから、改修工法に採用されるべき理由があり、今回の改修工事にもご採用いただきました。
そして、その他の浄水場の改修も順次執り行われてきており、その全てがおなじ「UGA工法」を採用いただいております。
25年以上の実績を誇り、震災にも耐え抜いたUGA工法。これからも日本全国の高度浄水に貢献できることをうれしく思います。
余談ですがテレビの番組で、とある有名レストランが800円で販売している水はどれ?と目隠しをした何種類かの水を回答者に飲んでいただき、「これ」と選んだのは、番組出演者であったメッセンジャー黒田さんの実家(枚方市)のキッチンの水であったという、エピソードもあるくらい、美味しい水です。
これらの美味しい水を送水している、高度浄水を支えてているUGA工法でお手伝いできていることは社会に貢献できる仕事をしていると大変喜ばしいことです。
またこれから新規に高度浄水を採用される浄水場へのご採用、計画的改修工事で、もとの工法からUGA工法をご採用いただけることを願っております。
UGA工法については、こちらをご覧下さい。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
https://www.dainichikasei.co.jp/product/uga/