アスファルト防水改修で同じ工法で行うと途方もなく大規模な防水改修工事となるところでしたが、ビッグサンRX工法に仕様変更する事でコスパ良く改修することが出来ました。
これまで幾度となくアスファルト防水についての利点や他工法よりも比較的耐久性が高いとお伝えしてまいりましたが、同様に未来永劫ではないともお伝えしてまいりました。
しかし、一般の方にはなかなか浸透していないのか、数十年の耐久性があると思い違いをされている方も少なくないようです。今回の事例も、建築当初は15年程度で大規模改修が必要である事を知らされていたにもかかわらず、施設である故の悲しい性で、設備担当者が入れ替わりそういった情報が伝わっておらず、またそういった知識もないままに20余年間放置されていた屋上防水の改修事例についてご紹介させて頂きます。
一般の方にはアスファルトという言葉で思い起こすのは道路の舗装でしょう。道路舗装にアスファルトが多く使われ出したのは、関東大震災の復興がきっかけになっており、ちょうど100年前になります。しかし使われ出した頃のアスファルト舗装は公道ではまず残っていないのではないでしょうか。
雨風や夏の暑さと冬の寒さにさらされ、且つ車が往き来する事から劣化も酷いと思われるかもしれませんが、家や事務所をでて近所の歩道などをご確認いただくと、車の通らないところでも結構傷んでいるものです。
そのため公道では定期的な見直しが図られ、酷く傷んでいる箇所は緊急道路改修がおこなわれます。交通量の多い場所では通行を止めてまで全面改修を行わなければなりません。
防水材に使用されるアスファルトと舗装に使われるアスファルトは、同じ性質のものです。 やはり耐久性能には限界があります。
一般的な屋上防水に使用されているアスファルト防水材の場合、直射日光の日照時間や降雨量、夏冬の寒暖差など環境に左右されるものの、概ね15年程度から傷みだしてくるようです。条件が悪い環境であればもっと早いところもあります。
逆に環境条件が良ければ20年以上持つところもあります。
こうしたアスファルト防水の改修時期の目処を基軸に日常の点検やメンテナンスは必須なのです。
例えば排水溝が枯葉などで詰まっており水が流れにくく屋上に水が溜まっていたりすると、そういった箇所は極端に劣化が進行してしまいます。
ここからは弊社事例なのですが、某クリニック(結構大規模な施設)の屋上防水なのですが、建築後30年を経過しようとしているため各所で老朽化による改修工事に追われているところでした。
建築当初は、施工した建築会社からの引渡時の申し送り事項に、屋上防水は15年を目処に改修を検討してください的な事があったようです。しかし15年が経過する前に施設の設備担当者が退職されてしまい、そういった細かなことが引継ぎ出来ていなかったようです。
極端に環境も悪くないところだったのか、特に何事もなく月日が経過する中で、他の設備が老朽化により傷むことがチラホラ発覚するようになり、そちらへの対応が日々の業務外で増えてきた状況ではあったようです。
しかしある日、室内に雨漏りの形跡がみられるようになりました。
雨漏りというと万人は屋根(屋上)を思い浮かべることでしょう。こちらの担当者も屋上を見回ったところ、誰が見ても防水材が傷んでいるところが分かるくらい傷んでいたようです。
建築会社経由にて防水業者にみてもらい、劣化の酷い箇所のみ部分補修を行う事で取り敢えず収まったようです。
部分補修した箇所は当然問題ないでしょうが、大多数の部分はそのままです。当然ながら他の箇所が早かれ遅かれ劣化の限界を超えて、フクレやひび割れなどが生じてその結果、漏水に繋がってしまいます。
そして数年後、今度は複数の箇所から漏水が起こってしまったのです。
※写真はその時の状況。ところどころ部分補修した箇所が見受けられます。
再び防水業者さんに依頼して見て貰ったところ、この状態で部分補修をしても直ぐにまた別の箇所から漏水してしまうので、全面を大規模改修することを勧められたそうです。
クリニックの設備担当者が手順を踏み、理事会で大規模防水改修が決定されたのですが、次はどういった工法で防水を行うかの検討に入りました。
防水改修では役所などがよく採用している「現状復帰」。つまり同じ工法で防水改修を行う方法です。
最初に検討されたのが既存の防水材をそのまま残して上から新たにアスファルト防水材を施工すると言うもの。新たに防水材の重量が加わるために建物への影響を鑑みて建築会社に問い合わせたところ、物理的には可能ですとの返事。
しかし、既に防水材が劣化し漏水しているのであれば、躯体コンクリートに水分が浸透している可能性が高く、上から被せてしまうと躯体からの水分が蒸発し下から突き上げてしまい、カバーした防水層に多数のフクレが発生する懸念があるとのことで、既存防水材の上に施すことは見送られました。
次に検討されたのは、既存防水材を全て剥がして新たに防水層を施工すると言うもの。既存の防水層を剥がすにはピッカーなどの振動工具などが必須で、屋内に振動や騒音が発生してしまいますが、医療施設のため振動騒音は避けなくてはなりません。
また撤去する手間暇や撤去した既存防水材の処理にも膨大な費用が掛かってしまいます。
防水工事業者さんは塗膜防水材で通気緩衝工法という、下から蒸気が突き上げてきても脱気筒を通して逃がす事が可能な工法を提案してきました。塗膜防水なので上から塗るというスタイルなので騒音もほぼありません。
元の防水材を残したまま施工が出来るので、撤去や廃材の費用も掛かりません。施設の担当者は天からの恵みの工法だと喜んだものの、使用される材料がウレタン系塗膜防水材だったのです。
ウレタン系となると溶剤を使用します。
溶剤は独特の臭気があります。健康な人が吸引した場合でもなにがしかの影響が懸念されるのに、クリニックですので、施設利用者は健康ではない人が大半です。また面積も結構ある為に塗布防水とはいえそれなりの日数も掛かります。
改修工事期間中ずっと臭気が蔓延しているようでは、患者様にとっても職員にとっても良いわけがありません。なにより患者様に悪影響が及ぶことは絶対に許されません。
そこで再検討した結果、ポリマーセメント系塗膜防水材 ビッグサンRX工法が検討されました。
ビッグサンですのでもちろん水性材料ですし、通気緩衝工法です。
水性のため嫌な臭気はありませんし、通気緩衝工法ですので下からの水分蒸発による空気の突き上げも心配ありません。もちろん塗膜防水ですので、振動や騒音も最低限に抑えることが出来ます。
新規防水の決定には紆余曲折がありましたが、ビッグサンRX工法をほぼ即決でご採用いただきました。
ビッグサンRX工法の仕組み
採用に至っては、念の為と調べる中、当社のYouTubeチャンネルもご覧いただき、RX工法の塗膜がしっかりしていることもご確認頂けたようです。
ほどなく工事が始まりましたが、当然ながら施設への影響も全くありません。また壁面ではないので足場を組む必要もありませんし、アスファルト防水であればシートが重く重機による荷揚げなども必要になることが大半ですが、ビッグサンRX工法では必要ありませんので、改修工事期間中は作業しているのかさえ判らない程度です。
RXシート貼付
防水剤塗布
完成状況
とくに既存防水がアスファルト防水の場合では、全面を剥がして新たにアスファルト防水を行うというのは、特殊な事情でも無い限り、コスパの面からもあまり合理的ではないと思われます。
そうなると既存防水の上から施すカバー工法になるのですが、通気緩衝の機能は必須であります。
ところが、昨今の世情から有機溶剤を使うことは好まれませんし、なにより改修ですので居住者や施設利用者、近隣周辺への十分な配慮と理解が必要です。
オール水性材料の通気緩衝工法でありながら、耐久性も有機溶剤系材料に劣らず、日常的なメンテナンス(水溜まりが無いかなどの目視検査や排水ドレンの清掃)などを行っていれば長期に渡り防水性能を維持する事が可能です。仕上げにはトップコートを施しますがこちらは5年程度を目安に塗替えは必要ですが、大規模な改修工事というわけではありません。これはウレタン系塗膜防水材などの他の工法でも条件は同じです。
匂わない。有機溶剤のような健康被害がまず無い。騒音が無い。作業に特別な機械や道具を必要としない。などアスファルト防水の改修には、ビッグサンRX工法の他にないと言っても過言では無いと考えます。
この現場の施主様からも、ビッグサンRX工法のお陰で膨大な費用も掛からず、施設利用者や職員にも全く影響も無く行えることが出来、もちろん漏水も止まったので、費用以上の価値はあったとの感想も頂いております。
アスファルト防水改修をご検討の方や、臭気問題・騒音などからも新たな防水工法をお探しの方には、是非ともビッグサンRX工法をお薦めいたします。
ビッグサンRX工法についてはこちら
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